10.八方塞がりは自分だけじゃない

ある日、Xから、
とあるツインレイ女性と見られる方の
ブログ投稿の話があった。

 


いまや、ツインレイ女性からの情報発信は、
生きづらさを抱えるすべての女性に
価値をもたらすものなのだろう。

 

 

それによると、
パートナーのツインレイ男性が
どうやら芸能人らしいという女性からの
相談が増えていて、
しかも、それらの女性は、
シンクロニシティに本物感がある人ほど、
Xと同じように家から出られなくなっていたり、
お金、健康、人間関係、将来すべてが問題だらけ。

 

 

いわく、
男性側の光が強く、
その分女性側の闇が強くなるとのことだ。

 

 

恐ろしいことだと思う。

 


ここでXのパートナーと思しきYが、
芸能人かどうかは
明言しない。

 

が、
かなりの有名人であることは確かだ。
やはりYの光が強く、
Xの闇がその分強いのかもしれない。

 

 


しかし、そのブログ記事は、
Xに孤独ではないという希望をもたらした。

 

 

苦しいのは自分だけじゃない。

 

 

他にも自分と同等レベルに苦しんでいる
女性が、この世の何処かにいる。
そのことがXにどれほどの勇気をもたらしたことか。

 

 


それは、誰かの不幸に安堵するような話ではなく、
運命としてそうなっている人が他にもいるなら、
自らも運命としてそうなっていて、
救われる可能性が高いのでは、という
希望。

 

 


実は以前から、
Xが通常のツインレイとは違うという話をしていた。

 

 

相手Yが有名人なのもあるが、
何よりX自体が持つ俗に言うツインレイ女性の特徴。
これが、その特徴そのものでありながら、
なぜかそのサイズ感が、
私にはやたらと大きく感じられていたからだ。

 

 


ブログをしているツインレイ女性は、
働けてはいることが多いが、
Xはそうではない、

 

 

働けないことなど含め、普通のツインレイ女性より、明らかに苦しそうだ。

 

 


有名人ツインレイは、
なにか特別な役割があるのではないか。

 

 

そんな仮説をXに話していた。
そして、そんな有名人ツインレイが、
「Xたち一組だけなはずはない」と考えていた。

 

 

 

そこへきて、今回のブログ記事の話だ。

 

 


おそらく、Xたちには、
現在の3次元的価値観にとらわれた人々に、
「目には見えない世界を信じさせる役目」がある。

 

 


もし、そうならば一組じゃとても信憑性がたりないではないか。

 

 

 

私は、そう考えていた。

 

 

 

冗談めかして、
12星座ツインレイの一組なんじゃね?などと話して笑っていた。

 

 

Z「ほら、12星座ツインレイとか前に言ってたじゃん」
X「確かに!」

 

 

 

きっときみ(X)だけじゃないんだよ。

 

 

 

そんな話をした。
自分だけが苦しんでいると思いがちだった。
でも、そうじゃない。
仲間がいるかも知れない。

 

 

 

この話をした翌日のことだ。

 

 

 

それはまるで、運命からXに、

 

 

 

「ほら、もうわかったろ。次に進むきっかけあげるから」と、
言われたような出来事。

 

 

 

止まっていた運命の歯車が動き出した。

 

 

と言ったら、
月並みな表現だろうか。


私の身に危険が迫っていた。

09.見えない世界を信じる

見えない世界の話である。

 


これは、霊現象やその他オカルトに
興味のある方向けの話と言って、
いいかもしれない。

 

 


大多数にとって、
見えない世界を信じることは、
怖いことのようで、
拒絶する人も多くいることだろう。

 

 


そのような人にとって
見えない世界に
それほど意味は生まれない。

 

 

 

しかし、Xの場合は少し違った。

 


Xは、前述のW氏(偽ツインと思しき方)ほど、
ハッキリ霊がみえるといったことはない。

 

 

ところが、幼少期から、
少ないながらも、
声を聞くことがあったという。

 

 

いわゆる今際の際の声というやつだ。

 

 


一度目は小学生の頃、
病んで死を待つばかりの、
家にいるはずの飼い猫の声が、
学校で授業を受けているにも関わらず、
聞こえてきたという。

 

 

二度目は母方の祖父の兄弟で、
Xの名前を呼ぶ声が聞こえたという。

 

 


これだけではない。

 


中学時代の山登りだったそうだが、
Xは突然、見えない壁のようなものに阻まれて
進めなくなってしまった。

 

 


引率教諭からも、
何をやっているのかと叱られたが、
どうにも進めない。
引率教諭もついにあきらめ、
Xはそのまま登らずに麓で待っていたという。

 

 

 

私と入籍してからも、
いくつかの体験があった。

 

 

 

今は以下の箇条書きにとどめ、
後日必要があれば、個別に詳細を記すことにする。

 

 

  • Z(私)の腰のあたりから金粉が吹き出していたのを目撃
  • お菓子の袋がダンスするのを目撃
  • 黒人の天使が現れた
  • キラキラとした石柱のようなUFOを目撃
  • 白龍を二度目撃

 

 

信じていないのにもかかわらず、
こうした事が度々起こるのは、
やはり、見えない世界を自ら信じなさい、という、
運命からのメッセージのようにしか、私には思えないのである。

 

08.自己不信について

Xが信じられなくなっていたのは、
他にもある。

 

愛情だけではない。
自分自身をも、信じられなくなっていた。
その背景についても記しておく必要があるだろう。

 

Xは先日、映画シックス・センスを見て、
とても泣いてしまったという。

 


私がXにどういう話か聞いたところ、
見えないものが見える少年が、
その能力によって、
孤立を極めてしまっていくところが、
身につまされて悲しすぎたのだという。

 

 

Xにも、変わった感覚(センス)がある。
Xの場合は、人の機嫌が、
エネルギーのような形でわかってしまうという。
エンパスという能力らしく、
ツインレイ女性に多く見られる能力ということが分かってきた。

 

実際、私も目の当たりにして仰天したことが何度もある。
あまりにも当たり前に起こる。
なので、最近は慣れっこになっており、
特段驚かないようになったのではあるが。

 

 

2023年6月頃、
Xの体調はだんだんと持ち直し、
少しは出かけられるので、
私は休日にドライブに連れて行くことが多くなった。
そんなときによくその能力に遭遇する。

 

 

信号待ちの停車。
突然痛がるX。
そして、その数秒後、
あきらかに不機嫌そうな通りすがりの人が現れる。

 

あー、このひとか。

 

と、なる。

 

 


最初はなんらかの偶然かとは思っていたが、
あまりにも起こるので、
まぁ、神様がXに与えた能力のひとつだろう、
という認識を私はしている。

 


痛みを感じる体の部位も毎回違う。
首のときもあれば、足元のときもある。
腰、肩、など本当に諸々の部位に現れる。

 

 


この能力に関するメリットはよくわからない。
私は運命論者で、
意味のないことはないと考えている。
だから、どうにかエンパスの理由を考えようとしたこともあるが、
なにかその答えを急ぐ必要がない気がして、
考察はいつも途中で止まる。

 

 

Xはこれをデメリットとして考えていた。
なにしろシックス・センスの少年のように、
誰にも理解されず、嘘つき呼ばわりもされるし、
コミュニケーションで孤立する。

 

 

他者のエネルギーに敏感だから
物理的に人付き合いも制限されてしまう。

 

 

自分という人間の輪郭がボヤケていくような漠然とした不安に苛まれるという。

 

 

こうした自己不信の連続が、愛情不信にも繋がっている。

 

 

こんな自分が愛されるはずがない、
となっている。

 

繰り返し愛情を疑ってしまうのも、
こうした思いから湧き出したものだと考えられた。

 

 

その他にも自己不信は、
人間関係以外にも行動面としても
色々現れていた。

 

 

このあたりはHSPの特徴とも似通ってくるが、
家の扉がちゃんとしまっているか、
窓が閉じられているか、何度も確認する。

 

 

私はXに指差し確認をすすめたが、
それなりの効果は出ている。

 

 


確認したかどうか不安で、
再度確認してしまう無駄を少しは減らせた。

 

 

 

確認した自分が
幻のように感じられるというのだから、
これは仕方ないことなのだと私は考えている。

 


自己不信対策は、
小さなできたことを、
正しく認識するところから始まる。

 


Xの場合は、
指差し確認で、自分が、
意外にも戸締まり漏れが少ないことを確認できたようだった。
指差し確認が漏れることも特にないようだ。
さりとて長年の自己不信が、急に治るわけではない。

 

 

他のツインレイ女性はどうかしらないか、
Xは愛情だけではなく、
自分のことも信じなければならなかったのだから、
その苦労は推して知るべしと言えるだろう。

 

 

なぜ、ここまで自己不信に陥ったかについては、
すべてわかっているわけではない。

 

 

ただ、幼少期の両親の離婚後、
転校先の小学校教師からイジメにあっていたことは、
ひとつの学習障害を生み出すキッカケとなったと見て良さそうだ。

 

 

その学習障害が、自己不信を加速させたと、私は考えている。

 

 


その教師Tはとある科目で名を馳せる人だったらしい。
Xが転校してきたときには、
そのクラスのその科目は、
Tの指導によって、
すでにXが以前の学校で学習してきた範囲を
超えていたようだ。

 

 

当然、習っていないのだから、
Xは授業についていけない。

 

 


にも関わらず、
分かるまで廊下に立っていなさいと、
Xは丸一日立たされた事もあったという。

 

 

 

理解のための教材もろくに与えず、
分からなければ体罰というのは、
今ならば教師が処分されるだろう。

 

 

 

また、Tは知能発達に障害が見られたと思われる、
別の生徒に対しても、汚物扱いするなど、
人でなしの行動を見せていたという。

 

 


この教師も不幸になればよいと、
私は考えている。

 

 

以来Xは、Tの行動により、その科目が極端に苦手になり、
自己不信の理由のひとつになった。

 

 


ただ、不思議なことがある。
その後のXは、高校受験において、
その科目が絶望的だったことで、
行ける高校が限られ、
偽ツインと思しきW氏と出会うことになったのだ。

 

 

つまり、
つくづく運命というもののいたずらを
感じざるを得ないということも記しておかなければならないだろう。
Tがいなければ、進まなかった道だったのだ。


自己不信については、
この教師の件は一面的なものに過ぎず、
諸々のことで
Xの自己不信が形成されていると見て
間違いないだろう。


こうしたことを踏まえ、
丁寧にサポートしていくことが、
私にとっても重要なことなのだと考えている。


もし、これを読まれた方に、
同じような自己不信を抱えた人の
サポートをする方がいれば、
相手の人物像の捉え方の参考になったのではないかと、私は思う。

07.信じてなくても欲しいものは欲しい

見えないものを信じる、
見えない愛を見えるものにできたら、
きっと信じられる。

 

 

私は当時そう考えていた。
そのため、実際に愛を目に見える形で示そうとしたが、
何しろXほどではないが、私も機能不全家族育ちだ。

 

 

自分の愛の示し方があまりにも不器用で馬鹿げていた。
当時のことを記しておく。

 

 

2019年夏。
パニックを起こして倒れたX。
それは動けなくなるようなものではなく、
むしろ、恐怖のあまり止まることができない、という形で現れた。

 

 

動いていないと呼吸が止まる。

 

 

実際にはそんなことはないと思われるが、
ともかく当時のXは本当にそう思い込み、
日がな一日中歩いていた。

 

 

あそこで私が無理に歩くXを止めていたら、
一体どうなったのだろうか。

 


そう思ったこともあったが、
実際にはそうしなかったのだから、
その先はただの想像でしかない。

 

 

 

とにかく本人は、呼吸が苦しい。
息が吸えていない感じがする、という説明を、
本人は私にゆうに百回以上は訴えた。

 

 

 

ヒステリー球と呼ばれる症状に近いものがあった。
のどになにかボール状の異物が詰まったような感じがあり、
その圧迫感が呼吸が止まる恐怖を生み出す。

 

 

 

特に確実な治療法があるわけではないらしい。
漢方でよくなるとか、認知療法だとか、
とにかく、特効薬や確実な方法というよりは、
それなりに効果があったというものを試すよりほかない。

 

 

 

しかし、その時のXはなかなか病院にもいけない状態だった。

 

 


どうしたものかと困り果て、
あまりの困り具合に冷静さを失った私は、
なにをどうとち狂ってしまったのか、
ヒステリー球を心霊治療的に取り出してみる、と考え出した。

 

 

 

今これを書いている時点で、恥ずかしいほどのバカさ加減で、
一体何を考えているのか、と当時の自分を殴りたくなる。

 

 

 

だが、なぜか、これは病院に行けないXにとっては、
それなりに効果を発揮した。

 

 

 

皆まで言わなくともわかる。
おそらくプラセボなのだ。

 

 

だが、とにかく、Xの喉になにか詰まっている感じがしたし、
それを地引網をひくように手をひたすら動かして、
必死に取り出そうとした。

 

 

 

Xは、わぁ、取れてる、取れてると言っていたが、
こっちとしては、必死に手を動かしながら、
取れていることを祈るしかできない。

 

 

 

実際に詰まっている何かが取れているかを確認するすべはないのだ。

 

 

 

1時間ぐらいやって、へとへとになって、
Xが少し楽になったと言い、食事を取ったりする。

 

 

 

こんなことを何回やったがわからないが、
ときには、なんとかXを車に乗せて、
近所の夜のスーパーの屋上駐車場で同じことをしたりした。

 

 

はたから見れば異様な光景だったろう。
震えながら屹立する女性。
その女性に向かって地引網を引くようなジェスチャー
必死で行っている男性。

 

 

たまたま通りがかる人がいなくて本当に良かったと思っている。

 

 

 

もちろん、こんなことでXが全快することもない。
しばらくすれば、また再び歩き続けるのだ。
ひとりで歩かせるわけにもいかない。

 

 

家の廊下に毛布を敷き、Xが足を傷めないようにして、
歩きやすくした。

 

 

その毛布の上を、私も手をつなぎ、二人して何時間も歩く。
膝が痛い、足首が痛い。
しびれを感じるが、止まるわけにも行かない。

 

 

計算したら、1ヶ月で400キロ以上は歩いた計算になる。
その後の霊的成長につながる、アセンション的生活と合わせて、
お遍路さんや、カミーノ・デ・サンティアゴ巡礼のようだと思ったりもした。

 

 

 

それまで何度も何度も、Xに愛を疑われてきた。
助けるふりして、本当は突き放すんじゃないのか、とか。
私としては、普通の愛情を普通に示しているに過ぎない。
しかし、それがXにとっては恐怖だった。
あまりのつらさにXは時折錯乱する。

 

 

私が普通の愛情からの、普通の行為をしても、
警戒して受け取らない。
きっと、Xの脳裏に、幼い頃の父の影がよぎっていたのだろう。

 

 

 

もし、ここで私が共に歩き続けなかったら、
Xはもっと愛を信じなくなっただろう。
そうはさせまい、と覚悟を決めていた。
必死だった。

 

 

 

なぜ、そんなに頑張れたのか、
今でもよくわからない。
不思議な使命感みたいなものもあった。

 

 

 

ただ、その時の私自身が、
バカで幼稚だった。
もっと現実的な助ける手段を選べなかったのか。
とは、今でも思う。

 

 

 

何も分からなかった自分だが、
その時ですらわかっていたことがある。

 

 

 

Xは愛が怖いのに、
愛されないことをもっと怖がっている。

 

 

それだけはわかっていた。
信じてなくても、欲しいものはほしいのだ。
だから、愛は特別なものではないことを伝えたかった。
本当は、愛は簡単に与えられるし、
愛は簡単に受け取れる。

 

 

 

だけど、当時のXは愛は特別だと思いこんでいたから、
特別でもなんでもいいから、自分に届けられる愛を、
すべて形にする。

 

 

その思いだけで、必死でしがみつくXの手を握り、
幾夜も、毛布の上を歩き続け、そしてまた地引網のジェスチャーを続けた。
いつか必ず、愛はいつでもそこらじゅうに転がっていることを、
信じられる時が来る。
私自身、それを信じていた。

 

 

 

その生活は1ヶ月続いた。

06.失われた「愛への信頼」

私はW氏のくだりで、
偽ツインについて、
ツインレイ女性に対して重要なテーマを残すと記した。

 

 

XにもWによって残されたとも言える重要なテーマがあった。

 

そのテーマは「信じる」ということだ。

 

他のツインレイ女性に当てはまるテーマとは限らない。
これはあくまでX単体のテーマかも知れない。
しかしながら、何かの参考になるかもしれないと思うので、
これも書き残しておくことにした。

 

 

Xはそもそも父の影が薄い。
これはXだけではなく、ツインレイ女性全般によくあることらしい。

 

 

Xの父は、Xが幼少の頃、家を出ていった。
キリンのぬいぐるみを買ってくると約束したままになっており、
Xはその裏切りがトラウマになっていた。

 

 

 

おそらく、他にも多くあった父との悲しい体験をきっかけとして、
自分を大切にしてくれる人ほど信じなくなった。
いつか、裏切っていなくなるんじゃないかと。

 

 

 

つまり、裏切りによって、
自分を大切にしてくれる人ほど、
疑うようになってしまった。
それもただの疑いじゃない。
絶対に味方を信じまいとする執念と呼べるようなレベルで、
「愛」を疑っていた。

 

 

 

信じるがテーマと言っても、信じるべきものはたくさんある。
なかでもXの場合は「目に見えないものを信じろ」
運命に言われているような気配があった。

 

 

 

そのひとつが親しき人からの「愛情」だっただけである。

 

 

 

たしかにXの父は、愛情はあったと思われる。
私も一度だけ電話で話したことがあるが、
愛はあるものの、すごく弱い人だと感じた。

 

 

 

すなわち、愛があっても、それを形にする智慧や力がないのだ。
だから、結果的に、愛を求める人に、
愛を形にして届けることができない

 

 

 

Xの父は仕事ができない人だったようだ。
どんな仕事も長続きせず、賞与は一度たりとも貰えず、
あげく仕事仲間と泥棒騒ぎを起こし、
クビになったこともあったり。

 

 

またあるときは、貧困にあえぐX家のXの母が稼いだ金を持ち逃げ。
そのうえ、幼子の父でありながら、男色の浮気グセもあったりと、
こうして文字にするとまぁ、かなり酷いと言わざるを得ない。

 

 

そのくせ、夢だけは語り、
デザイナーになって親に家を買ってあげるつもりだったと、
語っていたこともあったという。

 

 

 

今も生きているだろうが、
10年以上前に私と電話で話したときは、
介護の仕事を真面目に続けていたようで、
今も弱い人だと感じさせるものはあったにせよ、
もう当時はそこまで悪い人ではなくなっていたようだった。

 

 

 

入籍の報告に近い電話のやり取りだったので、
娘を頼むと言われることぐらい覚悟していたのだが、
それもなかった。なぜかなかった。

 

 

 

しきりに自分のことを話すXの父からは、
無力さや自責の念を感じはしたものの、
もう信頼を自らドブにすてた自分には、
何もしてやれることはないとでも思い込んでいるような、
弱者の中の弱者の諦めを感じた。

 

 

 

私はXのことになると、怒りが強い性質なのだが、
Xを騙したこの男の弱さを、今さら責める気にはなれなかった。
この父を持ったXの悲しみはいかばかりか、という悔しさはあったにせよ、
哀れというか、虚無というか、言葉にならない静かな怒りだった。

 

 

もしいま、Xの実父がこれを見ていて、
ショックを受けるようなら、それも私の本望だ。
厳しい話かもしれないが、
人は、自らの罪を正確に見つめ直すことでしか、
弱さを断ち切る正しい危機感を持てないと、私は考えている。

 

 

Xが父によって長らく抱えてしまった「愛情不信」のことを思えば、
私にこれぐらいのことを言う権利はあるはずだ。

 

 

 

あの電話から10年以上経過している。
過去の古傷をえぐるような手記を残すが、
逆に言えば、古傷を残した側でもあることを忘れてほしくないのだ。

 

 

罪は消えないが、
あれから月日が経ち、
なんらかの愛の形は表現できるようになっているはずだ。
裏切ったことへの謝罪の言葉、反省の言葉一つでもきっとXにとって、
薬のように作用するだろう。

 

 

そのときまた、Xの父も少しは救われるだろうと思う。
別に救われないまま地獄に落ちてもらっても、私は一向にかまわないのではあるが...。

 

 

Xが、失われた「愛への信頼」をどう取り戻していったかは、
またの機会に記すが、
この「愛への信頼」を取り戻させることが、
私のツインフレームとしての一つのミッションだったのではないか。

 

 

今の私は、そんなふうに考えている。

05.メッセージのシンクロニシティ

Xは、YとWの類似に気がついたことによって、
Yが自らのツインレイパートナーである可能性に行き当たった。

 

そうなると、そういう目で見てしまう部分もあるのかもしれない。
あまり体が動かず、スマホでネットを見ることぐらいしか、
やることがないXは、他の情報も調べるのだが、
Yの情報もそれとなく調べてしまう。

 

すると、それはそれで、また不思議なことが起こる。
それは後ほど記す。

 

2021年頃には、Xは少しは体が動くようになってきて、
一部の家事は自らできるようになってきた。

 

そのため、2019年にXが倒れて以来、
私も仕事をやめてサポートにあたっていたが、
久々に働ける運びとなった。
ここ2年で私の退職金も使い切り、金銭的にも厳しく、
そろそろ働かないと、支払いもきつくなってきたところだった。

 

とは言っても、またパニック発作が起きたときに、
私がいない状態になると、Xにとって、かなりの恐怖だった。

 

 

そのため、私は比較的近いエリアを狙って、
あちこちにアルバイト応募したのだが、
年齢が高いためか、もしくは性格の悪さがにじんでいたのかもしれない。
かなりの数の採用見送りを経験した。

 

 

それでも、ようやく掴んだ採用先が、
それまで応募した中で、最も自宅に近かった徒歩5分。
なんというかある種のお導きのように思えなくもなかった。

 

 

そんなこんなで、私はその採用先で、1日に5時間ほど働き、
Xは家に一人でいることが増え、
ますます、思索にふけることが多くなった。
決して悪いことではない。

 

 

ひたすらに自分を見つめ、ノートに記し、
社会の様子もネットを通じて学習していた。
そのノートも100枚綴りのものが、今や50冊を超えている。

 


ちょうどコロナ禍で、社会が変容していくときだったが、
コロナに翻弄されるよりは、自らの思考に翻弄されているような日々で、
毎月別人のように人間的成長が見られるのを、
私もどこか頼もしく感じていたと同時に、
精神的な成長速度の異常さに、驚いていた。

 

 

肉体に例えるなら、
漫画グラップラー刃牙において、
主人公刃牙が、夜叉猿と戦うための肉体づくりのために、
安藤さんの蓄えていた倉庫の吊るし肉を全部食べるのに似ている。

 

 

いや、こうした分かる人にしかわからないオタクな例え話は、
Xにもよくたしなめられていたか・・・。
Xに比べ、私は成長が遅い。

 

 

そんなXが成長を続ける日々の中で、
いろんな質問を投げかけられることになった。
そこに知恵を絞り、答えていったことが、
私が自分に起きたことを、この手記で言語化する能力の開発に役立った。

 

 

Xが主に疑問に感じていたのは、
「自らが悪い人なのではないか」という懸念だった。

 

 

ツインレイ女性はエンパスである傾向が強いらしい。
エンパスというのは、他者のエネルギーに敏感な性質らしい。
Xは怒っている人の側に行くと、
バチンと弾けるような痛みを感じることがあるという。

 

 

また、なぜかそういうエンパス体質のXは、
他者の悪さを想像できず、
怒っている人のエネルギーが、
自分に向けられたものだと勘違いしてしまう。

 

「自分になにか悪いところがあったから、
嫌われて怒りのエネルギーをぶつけられたんだ」

 

本当にこのようなことを言う。

 

怒っているのは、その通りすがりの、
Xのことを全然知らない他者であり、
別にXを対象にして怒っているわけではない。

 


相手の怒りがエネルギーでわかってしまうのも、
Xのエンパスという体質の特徴であり、
性格的になにか問題があるわけではない。

 

 

若い頃からこうした自分が悪いのでは?という疑問というか、
X本人の中では決定事項が有り、
精神科でそのような話をしても「自己関連妄想」と片付けられる。
あげく、なおりもしない薬を複数種類、
何年もあちこちの精神科で盛られた。

 

 

しかし、今では、エンパスの自分を少し受け入れている様子だ。
通りすがりの人のエネルギーに痛みを覚えても、

 

 

「今のは、私が狙われてるわけじゃないんだよね?」と、

 

 

本当に疑問そうにしながらではあるが、
毎回、確認してくれるようにはなった。
が、自分が悪いんじゃないかという疑念(自動思考)そのものまでは、
なかなか無くならないらしい。

 

 


考え直せる余裕が少し増えただけなのかもしれない。
それでも、一つの良い前進を見せてくれている。
このあたり、同じエンパスに悩むツインレイ女性には、
ある種の励ましになるのではないだろうか。

 

 

自責をしていても、生きてはいけるのだ。

 

 

 

いちおう補足しておくが、
確認してくれるようになったのは、薬をやめて5年以上経ってからのことだ。
皮肉なことに、学生の頃から薬を飲み続けた20年ではできなかった考え方が、
やめてからは5年でできたことになる。

 


薬で考え方が変わることは、Xに関してはなかったと言える。
むしろ、薬をやめてから変わったことを考えると、
薬が思考を固定化させていたと考えるほうが、自然ではないだろうか。
これは、あくまで私個人の考えで、
精神薬を飲むことを否定しているわけではない。
それらのものが必要な人もいる。

 

 

メッセージのシンクロニシティに関して、話を戻す。

 

 

Xが自らの性格の悪い部分について、
あるいは将来について、
あるいは健康について、
あるいは運命について、
考えるとき、不思議なことが起こる。

 

 

ネットで見かけたYの対談や、
別の記事が目当てで買った雑誌に、Yはインタビューという形で登場し、
そのときXが考えていたり、
悩んでいたテーマのヒントになることを語っている。
これらも、メッセージのシンクロニシティと言っていいのかもしれない。

 

 

こうしたことが一度や二度ではなかったようだった。
もちろん、Yにしてみれば、インタビュアーやその先の読者に向けて、
語っていたに過ぎず、また、
その内容もいかばかりかの編集で歪められていたかもしれない。
決して、狙ってXに発していたメッセージではないだろう。

 

 

Xにしたって、Yを目当てに仕入れた情報ではないものにも、
Yが介入してくる偶然に、驚きを感じていた。
それでも偶然は偶然、ただの偶然に過ぎない。

 

 

 

具体的になんのテーマに、どのインタビューで答えていたかなどは、
Y特定につながる可能性があり、
確定的ではないツインレイ情報のために、記すことはできない。

 

 

しかし、私から見たYの印象は、記しておく。
そうしたインタビューからは、よく思考する人という印象があった。
また、よく言われるようなツインレイ男性の特徴を備えていて、
中性的な面が有り、心に大きな闇を抱えていそうな印象もある。
こんなものも私の印象で思い込みに過ぎない。

 

 

こうして、Yの考えを読み続けるうちに、
XのYに対する印象は、少しづつ軟化したように思う。

 

 

X「他の人って可能性はないかな?」

X「選べないって(わたし)可哀想じゃない???」

私(Z)「まぁ、選べるけれどハズレを引く可能性があるより、
Yみたいな確定で当たりだけのほうがどう考えてもいいでしょ」

X「ぐぬぬぬぬっっ!」

 

 

 

一般的には、Yがツインレイの相手で文句を言う人は、
あまりいないと思うのだが、
上記のように、ツインレイを意識し始めたあとでも、
相手がYであることに対してはじめは肯定的ではなかった。

 

 


それでも、下記のように年単位の時間をかけて、
印象は変化した。

 

 

 

X「悪くないかもしれない」

X「実はちゃんと考えているところもある」

X「最近はちょっといいなと思っている」

 

次第に上記のように軟化していった。

 

 

ようするに、顔がWに似ていること以外は、
Xにとって、マイナスな部分などないのだ。

 

 

Yが闇を抱えていそうな部分にしたって、
それはX自身も抱えている。

 

 

Xは、自身の抱える光が強すぎて、
周囲に理解されにくいという闇である。
他者と仲良くしたいのに、
Xの光を受け止められる人がいないのである。

 

 

それは私にしても同様だ。
他の人よりは、Xの光を受け止められる。
だけど、それは感覚的理解じゃない。
あくまで経験から受容しやすかっただけだ。

 

 

Xはいま、自分の感覚を理解できる人を求めている。
そして、そのために体調を良くしようともがいている。
人と関わる時間を増やすには、健康なことも必要だ。

 

 

おそらく、Xを感覚的に理解できるのは、
Yだけなのだろう。
私から見てX自身が、真の理解者をとてもつもなく得たがっていることに、
どうやら気がついていないように見える。
いたらいいな、ぐらいの緩やかな感覚だが、
本来はそんな生ぬるい温度感ではないように見えているのだ。

04.偽ツインとのシンクロニシティ

この世には偽ツイン伝説というものがあるらしい。

 


これは将来出会うツインレイ男性によく似た存在として、
あらかじめツインレイ女性の目の前に現れ、
重要なテーマを突きつけた挙げ句、
残酷にも目の前から突然去っていく存在らしい。

 

 

この伝説自体は、正直どこから来たものかわからない。
私が調べた範囲のリサ・スミスの原典には見当たらなかった
完全に都市伝説に入る部類の話だが、
もしかしたら、本当に出会っている人もいるのかもしれないとは思う。

 

 

そして、Xにも、この偽ツイン伝説に相当する人物がいたのだから、
私も驚いた。

 

その人物は、Xのかつての婚約者(W)氏である。
高身長のイケメン、おうちがお金持ち、スポーツ万能と
お前は少女漫画のキャラクターかと思われるほど。

 

正直、Wの件がなかったら、
私もXもツインレイ伝説の実在をいまも完全に疑っていただろう。
いまも疑ってはいるのだが、W氏のせいで、
完全な否定がしづらくなったのは間違いない。


Xは、Wとの交際当時、社会にうまく適応できないストレスから、
アルコール依存を患ってしまうなど、明らかにおかしくなっていた。

 

 

それが原因かわからないが、あるとき、
Wに理由も明確にされないまま婚約を解消されてしまう。
その時のショックがいかほどのものか、本人もあまり話さなかったので、
私にはわからない。
が、
Xの母から伝え聞く限り、相当なものだったようだ。

 


ただ、関係を継続しているときのほうがつらかったと、
Xは語っており、婚約解消後、アルコール依存は治った。

 


それから数年後Xは、私と入籍し、時は進んで2020年。

 

 


Xは、
いつ襲い来るともしれぬ呼吸停止の恐怖と、
必死に戦いながらの生活に苦しんでいた。
少しでも状態のいいときには、気を紛らわすために、
スマホでネットを見るようにしていた。


そんな中、前からそこそこ世間に知られていたYという人のことを、
メディアで見かける機会がさらに増えた。
当時の友人の一人がYの大ファンになっていた。


X自身はYのことをそこまで意識したことはなかった。
むしろ会ったこともないのに「なんか、イヤだな」と感じていて、
そのことを不思議に思っていた。

 

友人がしきりにかっこいいというYの顔を、
Xはどうしてもかっこいいとは思えなかった。
「なぜ、この顔がイケメンにの部類に入るんだ?」と不思議がるほどだった。

 

 

その理由が、Yの顔のつくりにあると、ある時Xは気がついた。

 


Yの顔つきが、自分を捨てた元婚約者Wにそっくりだったのだ。

 

 

2019年以来数ヶ月忘れていた疑念が蘇る。
自分はやはりツインレイ女性だったのではないか。
このYというひとが自分のツインレイパートナーなのではないか。

 


(実際、ツインレイ男性の第一印象は、ツインレイ女性にとって、
あまりいいものにならないことが多いらしいことをXは知っていた)

 

Wはいわゆる偽ツインというやつではないのか?

 

Xは軽いパニックに陥った。
自分が体の苦しみから逃れたいあまりに、こんな妄想をしているんだ、と。
有りもしない希望に縋って、もし間違っていたら立ち直れないぞ、と。

 

 

Xからこれらの疑念を相談されたとき、
私はなんと答えたか覚えていない。

 


ただ、ツインレイの可能性をおそらく否定しなかったはずだ。

 

 

それは、単純に苦しみが終わるまでをやりすごす日々のために、
希望を持ってもらいたかったから、という私の個人的思惑もあるが、
それ以上に、Xから語られたWとYの共通点が、
ゾッとするものであったからだ。

 

 

私は元々運命論者でも有り、現実主義者でもある。
つまり、現実をよくできる可能性があるなら、
運命論でも何でも、証拠のないものでも活用する。

 

 

飛行機だって、空を飛べる本当の仕組みなんて、
分からなくても使っているではないか。
ジェットエンジンも、揚力も、浮力も、
分かる人には少しだけ分かっている話で、
わからない人にも飛行機そのものの利用価値はある。

 


以下は、Xが語るWの話なので、
すべて妄想の可能性もあるのだが、
Xは嘘がつけないタイプだと思う。
しかも一部はXの母(やはりとても嘘がつけないタイプ)から聞いて、
裏が取れているものもある。

 

・かおが似ている

 

特に目元が似ているらしい。
Xがそう言っているにすぎず、私はW氏の顔を確認していない。
偶然や勘違いかもしれないことを忘れてはいけない。

 

・高身長

 

どちらもかなり身長が高い。というか、下一桁まで同じ身長らしい。
私は高くないが、身長が高い人なんていくらでもいるから、
ただの偶然だろう。しかもW氏に会ったことがないから、
私も本当に背が高いかどうかは確認できていない。

 

・誕生日に使われている数字が入れ子

 

これは1月2日と2月1日のような形で、WとYの誕生日にシンクロがある。
しかし、そんな偶然だっていくらでもある。

 

・名前に使われている文字が漢字二文字が一緒で、もう一文字同じ読み方の違う漢字

 

例えるなら、「小田原」と「原田」ぐらいの被り具合である。
ただの偶然に過ぎないが。ちなみにこれはXの母から聞いて、
裏が取れていることでもある。

 

・家の成り立ちが被っている

 

WもYも同様の事業を取り仕切っていたことで成功した一族に連なる。
ただの偶然に過ぎないが。

 

・霊感がある

 

Yはメディアで霊体験を語っていた。
WはXいわく、しょっちゅう見えていたらしく、
Xは遭遇するたび驚いている図体のでかいWを見て、
面白がりつつも本気で驚いている様子だったという。
霊感がある人だってそれなりに世の中にいる。ただの偶然に過ぎない。

 

・それぞれの母の出身大学名が似ている

 

Wの母は名門と言われる「A」の「◯◯系大学」で、
Yの母はその「A」の「△△系大学」みたいな被りがある。
ただの偶然に過ぎないが。

 

 

 

Xがツインレイ女性かどうかについて、
私は確証が持てているわけではない。
ただ、やはり、こうしたシンクロニシティが多く、
それが気になっている。



これだけのシンクロニシティを否定し続けるのも不自然な気がして、
自分が認知バイアスをかけている可能性も捨てきれない中で、
現在は、


「まぁ、そういうものもあるだろう。
そういう前提で進んだほうが、
Xにとっても回復への糸口になるのなら、
この際ツインレイでもなんでもいい」

 

と、
そういう感覚になってきた。
運命論者で現実主義というのは、
こういうところである。

 

それに、私は常日頃から、
Xの特殊性が気になっていた。

 

ただものではない。
異常と言えるほどのレベルで繊細で、
優しく、明るく、人を惹きつけ、
人のために自らを犠牲にできる、とてつもなく良い面も持っている。

 


しかしながら、どこか疑り深く、人を信用せず、依存的で、
自責を繰り返しノイローゼ気味に切り替わったりする。

 

 

とにかく性格のボラティリティが高すぎる。
情緒がジェットコースターで、過去に何度も精神病診断されたのも、
うなずけてしまう部分がある。

 

仮にツインレイ女性であったとしても、
この人ならあり得る、と。

 


もし、私の目の前に神様が現れて、

 


「このXは、地球を救うために使わされた使者だ」と言ってきたら

 

 


「あー、なんとなくそんな気がしていましたよ」
私は答えると思う。

 

 

 

断言するが、Xは精神病ではない。
ただただ想像を絶するほど繊細すぎる・ピュアすぎるだけなのだ。
当然、精神科医も理解できなかっただろう。

 

 

実際、ツインレイカップルというのは
この危機にある地球を救いに来た存在ではないかと、
私は思っている。

 

このあたり、ヒンドゥーシャクティズムを思い出す。
男神一柱でも、女神一柱でもダメなのだ。
男性原理と女性原理の二柱融合にこそ、救いがある。

 

 

しかし、WとYには違う部分もある。
血液型も違うし、Wはスポーツマンだが、
Yはスポーツマンのイメージはなく、文化系。
このようにどこまでいっても確定ではないし、
逆に言えば、どこまでいっても否定もしきれない。


ずっとグレーゾーン。
だが、こうしたシンクロニシティは、
なにか見えない存在による作為を感じさせるものではないだろうか。