08.自己不信について

Xが信じられなくなっていたのは、
他にもある。

 

愛情だけではない。
自分自身をも、信じられなくなっていた。
その背景についても記しておく必要があるだろう。

 

Xは先日、映画シックス・センスを見て、
とても泣いてしまったという。

 


私がXにどういう話か聞いたところ、
見えないものが見える少年が、
その能力によって、
孤立を極めてしまっていくところが、
身につまされて悲しすぎたのだという。

 

 

Xにも、変わった感覚(センス)がある。
Xの場合は、人の機嫌が、
エネルギーのような形でわかってしまうという。
エンパスという能力らしく、
ツインレイ女性に多く見られる能力ということが分かってきた。

 

実際、私も目の当たりにして仰天したことが何度もある。
あまりにも当たり前に起こる。
なので、最近は慣れっこになっており、
特段驚かないようになったのではあるが。

 

 

2023年6月頃、
Xの体調はだんだんと持ち直し、
少しは出かけられるので、
私は休日にドライブに連れて行くことが多くなった。
そんなときによくその能力に遭遇する。

 

 

信号待ちの停車。
突然痛がるX。
そして、その数秒後、
あきらかに不機嫌そうな通りすがりの人が現れる。

 

あー、このひとか。

 

と、なる。

 

 


最初はなんらかの偶然かとは思っていたが、
あまりにも起こるので、
まぁ、神様がXに与えた能力のひとつだろう、
という認識を私はしている。

 


痛みを感じる体の部位も毎回違う。
首のときもあれば、足元のときもある。
腰、肩、など本当に諸々の部位に現れる。

 

 


この能力に関するメリットはよくわからない。
私は運命論者で、
意味のないことはないと考えている。
だから、どうにかエンパスの理由を考えようとしたこともあるが、
なにかその答えを急ぐ必要がない気がして、
考察はいつも途中で止まる。

 

 

Xはこれをデメリットとして考えていた。
なにしろシックス・センスの少年のように、
誰にも理解されず、嘘つき呼ばわりもされるし、
コミュニケーションで孤立する。

 

 

他者のエネルギーに敏感だから
物理的に人付き合いも制限されてしまう。

 

 

自分という人間の輪郭がボヤケていくような漠然とした不安に苛まれるという。

 

 

こうした自己不信の連続が、愛情不信にも繋がっている。

 

 

こんな自分が愛されるはずがない、
となっている。

 

繰り返し愛情を疑ってしまうのも、
こうした思いから湧き出したものだと考えられた。

 

 

その他にも自己不信は、
人間関係以外にも行動面としても
色々現れていた。

 

 

このあたりはHSPの特徴とも似通ってくるが、
家の扉がちゃんとしまっているか、
窓が閉じられているか、何度も確認する。

 

 

私はXに指差し確認をすすめたが、
それなりの効果は出ている。

 

 


確認したかどうか不安で、
再度確認してしまう無駄を少しは減らせた。

 

 

 

確認した自分が
幻のように感じられるというのだから、
これは仕方ないことなのだと私は考えている。

 


自己不信対策は、
小さなできたことを、
正しく認識するところから始まる。

 


Xの場合は、
指差し確認で、自分が、
意外にも戸締まり漏れが少ないことを確認できたようだった。
指差し確認が漏れることも特にないようだ。
さりとて長年の自己不信が、急に治るわけではない。

 

 

他のツインレイ女性はどうかしらないか、
Xは愛情だけではなく、
自分のことも信じなければならなかったのだから、
その苦労は推して知るべしと言えるだろう。

 

 

なぜ、ここまで自己不信に陥ったかについては、
すべてわかっているわけではない。

 

 

ただ、幼少期の両親の離婚後、
転校先の小学校教師からイジメにあっていたことは、
ひとつの学習障害を生み出すキッカケとなったと見て良さそうだ。

 

 

その学習障害が、自己不信を加速させたと、私は考えている。

 

 


その教師Tはとある科目で名を馳せる人だったらしい。
Xが転校してきたときには、
そのクラスのその科目は、
Tの指導によって、
すでにXが以前の学校で学習してきた範囲を
超えていたようだ。

 

 

当然、習っていないのだから、
Xは授業についていけない。

 

 


にも関わらず、
分かるまで廊下に立っていなさいと、
Xは丸一日立たされた事もあったという。

 

 

 

理解のための教材もろくに与えず、
分からなければ体罰というのは、
今ならば教師が処分されるだろう。

 

 

 

また、Tは知能発達に障害が見られたと思われる、
別の生徒に対しても、汚物扱いするなど、
人でなしの行動を見せていたという。

 

 


この教師も不幸になればよいと、
私は考えている。

 

 

以来Xは、Tの行動により、その科目が極端に苦手になり、
自己不信の理由のひとつになった。

 

 


ただ、不思議なことがある。
その後のXは、高校受験において、
その科目が絶望的だったことで、
行ける高校が限られ、
偽ツインと思しきW氏と出会うことになったのだ。

 

 

つまり、
つくづく運命というもののいたずらを
感じざるを得ないということも記しておかなければならないだろう。
Tがいなければ、進まなかった道だったのだ。


自己不信については、
この教師の件は一面的なものに過ぎず、
諸々のことで
Xの自己不信が形成されていると見て
間違いないだろう。


こうしたことを踏まえ、
丁寧にサポートしていくことが、
私にとっても重要なことなのだと考えている。


もし、これを読まれた方に、
同じような自己不信を抱えた人の
サポートをする方がいれば、
相手の人物像の捉え方の参考になったのではないかと、私は思う。