12.境界線問題

退院してから、
色々と話し合った。

 

 


その中で最も重要なテーマは、
私の両親と何とか仲良くしようとするのをやめるということだった。

 

 


私の入院中、
Xと私の両親だけの
生活となっていた。

 

 


ツインレイじゃなくとも、
義理の両親との同居は、
厳しい。

 

 

 

しかもXはなぜか、
自分の接し方次第で、
誰とでも仲良くなれるという
妙な勘違いがあった。

 

 

 

この勘違いは、純粋な特徴を持つと言われる、
ツインレイ女性ではあるあるのようだ。
いわゆる距離感バグってる、となりがちらしい。

 

 

 

しかし、
何度それを私の両親に試しても
うまくいかなかった。

 

 


私の両親は、
弱く自分勝手なのである。

 

 

 

Xがいくら温かく接しようとも、
つけあがるだけで、
Xに同じように温かさを返すことができない。

 

 

 

そのたびに、Xは、
「自分がなにか悪かったんだ!」と、
大変なショックを受け、
体調不良になり、回復に数日を要する、
ということを繰り返していた。

 

 

 

私の骨折を契機に、
自立心が高まったX。

 

 

 

毎度毎度、義両親との関係で、
体調回復に時間を使っているわけにはいかない。

 

 

 

ここで自立が遅れると、Z(私)が今度こそ、
骨折では済まない命の危険すらあるのではと、
心底恐れていた。

 

 

 

私の両親は、
Xほど温かさに価値を見出していない。
Xにしてみれば、
自分と同じくらい温かさに価値を
見出しているのが当たり前で、
そうじゃない人など存在しないのでは、
という思い込みがあるのだ。

 

 

 

だから、試さなければいいものの、
試さないという選択肢は取れない。
それは生まれながらに持ってきた性質のように、Xの中に染み込んでおり、
常時発動し、自制が効かない。

 

 

 

いわゆる境界線問題である。

 

 

いまにして思えば、
Xに境界線を引く練習をさせるために、
はからずもうちの両親は貢献していた。

 


その課題が、入院中、
また浮上してきたのだ。

 

 

(つづく)